50周年記念誌 目次
目 次
はしがき
第1章 公教育と宗教 (1)
第1節 日本の政教関係と教育 高橋陽一
1.公教育の世俗性と宗教性
2.共通教化と公教育
第2節 植民地における「公教育」と宗教 駒込 武
1.植民地における「公教育」とは?
2.朝鮮におけるキリスト教系私立学校
3.台湾におけるキリスト教系私立学校
第3節 公教育の成立と宗教 北野秋男
1.公教育の非宗教化・脱教会化
2.「公」の再検討と新たな課題
3.公教育の「内在化されたシステム」への着目
第4節 現代史と教育の「世俗化」問題 對馬達雄
1.「世俗化」論の再考
2.戦後ドイツにおけるキリスト教の復権
3.研究課題としての宗教と家族
第5節 イスラーム世界の宗教と教育 杉本 均
1.公教育としてのイスラーム
2.イスラーム圏の宗教・価値教育
3.ナショナリズムとの相克
第2章 教育における公共性 (27)
第1節 学区の公共性 増井三夫
1.日本の学区研究における公共性論議の最前線
2.ドイツの学区公共性の実証レベル
3.公の歴史叙述の方法的転換
第2節 初等教育就学の動向 柏木 敦
1.「就学率」研究の諸段階
2.実証論的研究から現象論的研究へ
3.新たな“就学”観の共有へ
第3節 ナショナリズムと教育
1.教育勅語体制とナショナリズム 森川輝紀
2.ねじれた近代と情念としてのナショナリズム 牧野 篤
3.ドイツにおけるナショナリズムと教育―ナチズムの問題を中心に 山名 淳
第3章 中等教育史 (53)
第1節 西洋中等教育史 橋本伸也
第2節 日本中等教育史
1.維新変革期~1910年代 荒井明夫
2.1920年代から敗戦まで 米田俊彦
3.第二次大戦後 大島 宏
第4章 高等教育史 (77)
第1節 西洋高等教育史研究の現状と展望 松浦良充
1.高等教育研究における西洋高等教育史研究
2.西洋高等教育史研究の現況
3.対象国別の特徴
4.課題と展望
第2節 日本高等教育史研究の展開 谷本宗生
1.近代日本の「高等教育」をいかに考えるか
2.1990年代以降の研究の広がり―主な研究論点
3.研究促進のための前提
第3節 アジア高等教育史研究の展開 大塚 豊
1.近代以前に対する研究関心の衰退
2.問題別考察
第5章 障害児教育史 (99)
第1節 全体動向 荒川 智
第2節 個別の動向
1.通史・総論 荒川 智
2.制度・政策・実態 中村満紀男
3.人物・教育論 渡邉健治
4.理論・学説 中村満紀男
5.運動・実践史研究 渡邉健治
6.個別学校・施設史 荒川 智
第3節 研究の課題 中村満紀男
第6章 教員史 (123)
第1節 欧米の教員史研究 吉岡真佐樹
1.研究動向の基調
2.女性教員史研究及びライフヒストリー研究の進展
3.教員養成政策・制度史,教員運動史の動向
4.教師専門職論の動向と広義の教育職研究の進展
第2節 日本の教員史研 船寄俊雄
1.教員史研究の進展
2.教員養成史研究の進展
第7章 植民地教育史 (139)
第1節 西洋教育史研究における植民地教育史 古沢常雄
1.進む帝国主義・植民地研究と,進まぬ植民地教育史研究
2.ヨーロッパ人自身による植民地意識の告発
3.植民地教育と「西洋諸国間の支配・被支配」と「西洋の国内少数民族」の問題
第2節 東洋教育史研究における植民地教育史
1. 二項対立批判とオーラルヒストリー 弘谷多喜夫
2.台湾教育史 弘谷多喜夫
3.満洲教育史 槻木瑞生
4.華北・蒙疆・華中教育史 新保敦子
5.朝鮮教育史 佐野通夫
第8章 教育史におけるジェンダー (159)
第1節 西洋教育史研究とジェンダ 香川せつ子
1.欧米女子教育史研究にみるジェンダーの視点
2.ジェンダーの視点を持つ教育史の新たな動向
第2節 日本教育史研究におけるジェンダー 小山静子
1.「女子教育」から「ジェンダー」へ
2.ジェンダー研究の展開
第9章 身体と教育 (175)
第1節 身体の視点からの教育史の可能性 辻本雅史
1.近代学校における身体の視点の欠落
2.近世における学びの身体性
3.「稽古」の地平―身体から心へ
4.近代学校教育と身体
第2節 日本の近世における身体と教育 沢山美果子
1.歴史のなかの身体を問う
2.日本の近世における身体史研究の誕生
3.近世の身体史研究の展開と可能性
第3節 日本近代における身体と教育 北村三子
第4節 アジアにおける身体と体育の位相 西尾達雄
1.アジア体育・スポーツ史研究の現状
2.植民地支配と体育・スポーツ史研究の課題
3.民族スポーツ研究が示すもの
4.その他の重要課題
第5節 西洋における身体と教育の歴史 白水浩信
1.西洋における身体史研究の展開
2.教育における衛生的配慮の歴史
3.教育の身体性の歴史
第10章 子ども・家族・教育関係の社会史 (203)
第1節 西洋教育史における教育関係史の試み 小玉亮子
1.《子ども不在》という教育史批判
2.アリエスと子ども史研究
3.子ども史から家族と学校の社会史へ
4.教育関係史の試み
第2節 日本における〈近代的子ども〉の成立史研究 太田素子
1.フランス社会史と子ども史研究
2.子ども史研究と比較発達社会史
3.「教育」概念と「近代家族」論
4.史料と方法論について
第11章 教育のメディア史 (225)
第1節 <教育メディア>の比較史のすすめ 宮澤康人
第2節 教育のメディア史―日本前近代 鈴木理恵
1.身体
2.音・声
3.画像
4.文字・書物
第3節 17世紀日本の「メディア革命」 辻本雅史
1.「文字社会」の成立
2.出版文化―「古典」と学習テキスト
3.読書という学習
4.「ことば遊び」と「語り」の文化
第4節 教育のメディア史―日本近代 梶山雅史
1.活字の文明開化
2.メディアから見た国字国語問題
3.教科書史
4.教育雑誌
5.映画・映像メディア
6.音声メディア―ラジオとレコード
7.教育情報回路としての中央・地方教育会
第5節 書物と読者の社会?文化史 小林亜子
1.書物の歴史の研究方法をめぐって
2.書物の生産と読者―誰がどのように書物を読んだのか
3.書物の社会的役割
4.書物は革命を準備したか
第12章 識字と読書 (255)
第1節 日本における識字と読書研究―近世を中心として 八鍬友広
1.識字と識字率
2.出版史から読書の歴史へ
3.読書という実践―日本における音読と黙読
第2節 欧米における識字と読書―近世・近代ヨーロッパを中心として 松塚俊三
1.リテラシー研究の出発点―初発の問題と展開
2.リテラシーの定義・要因・背景
3.リテラシーから読書行為の社会史へ
第13章 「モノ」「コト」と教育 (275)
第1節 「モノ」「コト」による比較教育史の可能性―学習具の歴史を事例に 添田晴雄
1.『学校と社会』と「モノ」
2.「モノ」と「コト」の具体性
3.「モノ」と「コト」の日常性
4.「モノ」や「コト」の比較
5.学習具の比較教育史
第2節 教室という場での教育慣行―「モノ」との関係に注目して 矢野裕俊
1.「モノ」に着目した教育史研究
2.教育慣行という問題領域
3.教室における道具立て―机・腰掛け
4.「モノ」と観念の新たな関係
第3節 近代日本の学校建築 川口仁志
第4節 「モノ」と教育の関係史 安川哲夫
第14章 教育史の学説史 (299)
第1節 日本教育史の学説史 榑松かほる
1.吉田熊次の学問関心と教育史研究
2.吉田熊次の教育史研究に対する批判と継承
第2節 西洋教育史の学説史
1.長田新の教育史学 別府昭郎
2.梅根悟の教育史学 古沢常雄
教育史の遺構・研究情報 (317)